外来がん治療認定薬剤師 なぜ合格率が低い? 試験問題の過去問は?

A 外来がん治療認定&専門薬剤師

2021(令和3) 年8月に医薬品医療機器等法に基づき創設された専門医療機関連携薬局認定制度が誕生し、がん領域における薬剤師の認定・専門資格が更に尚一層、注目されるようになってきました。そして、「外来がん治療認定薬剤師」もその注目される薬剤師の認定資格の一つになるでしょう。

もしこの「外来がん治療認定薬剤師」にご興味がある・ご検討中という先生方は、以下のページで『学習コンテンツ』のご紹介もしておりますので、必ずご確認下さいね!

がん治療に関わる薬剤師のためのアウトプット必須問題集|ボアラ@外来がん治療専門薬剤師の端くれ|note
全てのがん治療に関わる薬剤師が知識のアウトプットを行い、より知識を深めるための必須問題集となっております。日々のがん治療に携われる薬剤師の先生方の知識の再確認、新任の先生方の教材として、認定・専門試験等の対策教材として、様々な用途でご使用頂けましたら幸甚でございます。

しかし、この「外来がん治療認定薬剤師」はそう簡単には取得できないのです。なぜなら・・・「合格率が異常に低い」のです。合格率はおおよそ「約40%程度」と50%を下回っています。確かに、医療薬学会が認定している「がん専門薬剤師」に比べれば、指定の研修施設での5年の勤務も不要ですし、提出症例も50例も必要はありません。「地域薬学ケア専門薬剤師(がん)」に比べても5年の研修や、提出症例も70例も必要はありません。詳細は下記のページをご参照下さい。

外来がん治療認定薬剤師の合格率が低い理由

ではなぜ?外来がん治療認定薬剤師の新規申請における合格率が異常に低いのでしょうか?
それは、介入事例の審査、筆記試験(CBT試験)の合格率が共に低いことを理解しておく必要があるでしょう。

①介入事例の審査

事例審査も通過率は毎年40%程度と低いものになっています。外来がん治療認定薬剤師の薬学的介入事例の審査は10例の審査になります。事例は外来通院の患者のみとなるため、「入院患者」の事例は持ち込むことができません。そのため、「病院薬剤師」がここでハードルとなり、なかなか外来でのレベルの高い介入に悩むこともあるでしょう。「薬局薬剤師」においては、「カルテもない」、「病院からの情報提供もない」、「患者からの情報も大して得られない」‥そんな状況であれば、介入は困難を極めるでしょう(個人情報保護法の影響で、逆に治療に障害が出ている状況なのです。これは国全体として、まだ薬剤師が期待されていない証拠かもしれませんね‥)。「外来」における薬剤師の介入は想像以上に「困難を極める」のです。想像もしていなかったような「ハードル」がたくさんあるのです。そのような中で「主治医等への処方提案」を実施していかなければならないため、たとえ10例と言えど、なかなか「質が高い10例」を揃えることが難しいのかもしれません。

ちなみにですが、毎年ワンパターンな10例を提出し、不合格になられる先生方が一定多数いらっしゃいます。10例、ほぼ全て「保湿剤の処方提案」、「インフュージョンリアクションへの予防薬の処方提案」、「S-1の人工涙液の提案」等々‥

ここで、アドバイスポイントにはなりますが‥

外来がん治療認定薬剤師の試験の様式上、提出は10例しか提示できません!!

「提出事例は10例しかないの!?少な~い!わ~い!やった!」ではないのです!
この10例で自分がどれだけ抗がん剤・分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬等の用法用量、副作用に対する支持療法、相互作用、患者サポート能力、医師への提案力等があるかをアピールしなければならないのです・・・ そのため、各レジメンにおいて、代表的な副作用に対して、かつ可能な限り多くのパターンの対応することができた介入症例を提出することが合格へのカギになるかと思います。

CTCAEを用いたGrade評価を徹底し、適正使用ガイド、添付文書、ガイドライン等を参照し、根拠ある介入を実施した事例を用いてアピールすることを心がけましょう。

また、これは宣伝になりますが、介入事例を作成したが、査読・添削をしてくれる上司もいない・・・誰にも頼れない・・・昨年は介入事例の審査で不合格になってしまった等々・・・という先生方はお手伝いをさせて頂くことも可能ですので、下記のページをご覧の上、お気軽にご連絡下さい。申し込みされた先生方には事例添削~筆記・面接試験まで全面サポートさせて頂きます!!

②筆記試験(CBT試験)

筆記試験の通過率も事例審査と同様に毎年40%程度と低いものになっています。なんと言っても、出題の範囲が広すぎるのです。また、問題のレベルが1つ1つ高いものに設定されているため、添付文書だけでなく、適正使用ガイド、診療ガイドライン、レジメンの必要事項、診療報酬、緩和ケア等々‥様々な情報を把握しておかなければなりません。現在は、CBT試験に移行され、全国各地で受験できるように改変されましたが、それでもテストの内容、難易度は高まっており、更なる勉強量と受験対策が必要になってくるでしょう。

③その他の要因(憶測・・・)

毎年、外来がん治療認定薬剤師の新規申請試験で不合格になり、私にコンサルティングの依頼をしてくださる先生方がいらっしゃいます。その先生方から聞く限り、今までがん治療と関わることもほとんどなかったが、「会社からの指示で仕方なく受験した」、「病院研修に参加し、その際の事例のみを提出したため、あまり介入できていない。」、「普段はがん患者さんと会うこともない」等々‥様々な状況があるようです。合格率の低さは、このような背景も影響しているのかもしれません。

外来がん治療認定薬剤師 試験問題の過去問は?

結論から申し上げると‥外来がん治療認定薬剤師の新規申請試験における‥

試験問題の過去問は公開されていません‥

note等のSNSで受験された先生方が、経験から試験問題を模倣して販売されているケースもありますが、その質、レベルも煩雑であり、著作権違反の問題もあるため、あまり手にとることはオススメできないでしょう‥(後々になって購入した履歴から、たとえ仮に試験に合格できたとしても、合格資格が取消しになるリスクを孕んでいるのです‥)

試験勉強はどのようにしたら良いのだろうか?(私見)

過去問はない‥」という事実から、では私達はどのように勉強したら良いのでしょうか?

人間というのはいくら「インプット」の作業を繰り返したとしても、「アウトプット」の過程を踏まなければ、「知識」として記憶を脳に定着させ、実用化させることができません。つまり、人間は問われなければ‥何かしら「問題を解かなければ‥」、知識を「アウトプット」できないのです。

そのため、私からがん薬物療法の領域における知識の「アウトプット」のためだけに、がん薬物療法専門医の監修のもと、作成をおこなった「がん治療に関わる薬剤師のためのアウトプット必須問題集(400問以上)」を執筆致しました。これは、一般著作物になるため、「安心」してご使用頂けるコンテンツとなっております。また、こちらの問題集は「がん薬物療法専門医」が監修している書籍になり、何かしらの認定・専門資格における過去問ではないため、著作権等に対する懸念点についても安心して、使用・学習することができるメリットもあります。

この「がん治療に関わる薬剤師のためのアウトプット必須問題集(400問以上)」を用いた、外来がん治療認定薬剤師の筆記試験(CBT試験)の勉強法については、下記のページでご紹介をさせて頂きますので、ぜひご覧頂ければと思います。

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