イソトレチノインを使った難治性ニキビ治療

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どうしても治らない難治性ニキビ

ニキビができた経験がある方なら、誰もが一度が悩んだことがあるかと思います。中には、皮膚科に通院して、様々な処方薬を使用したり、市販されている様々な商品を使用したり、生活習慣を見直したり・・・それでも改善効果が得られなかった、どんどんひどくなる・・・といった方も多いでしょう。そんな筆者の私も、その一人でした。そこで、薬剤師の目線から、また使用経験者としての目線から、イソトレチノインというお薬をご紹介、解説したいと思います。

(最近はインターネット上にもイソトレチノインの様々な情報が流通するようになったので、この記事以外にも色々見て、参考になさって下さい)

さて、ではイソトレチノインというのはどういうお薬なのでしょうか?

この記事を読む前の注意点

本記事は、厚生労働省の個人輸入代行業の指導・取締り等について、遵守し、無承認医薬品の広告を行うものではありません。あくまでも医薬品の事実的な薬理作用、臨床上の役割、筆者の体験談について記載しているものであり、個人での使用を推奨するものではありません。

(1)顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昂進させる)意図はありません。
(2)特定医薬品等の商品名を明らかとせず、あくまで一般名のみを使用します。
(3)一般人が認知できる状態にはなく、専門的知識が必要な記載内容です。

個人輸入代行業の指導・取締り等について|厚生労働省
個人輸入代行業の指導・取締り等についてについて紹介しています。

本記事はあくまでも薬剤師の国家資格をもつ者としての私見であり、身の安全を保証するものではなく、医薬品を使用した際に有害事象が生じた場合には責任を負いかねます。副作用の危険性について理解した上で、医薬品を使用する場合は自己責任での治療を行って下さい。ご心配な方は、医薬品を処方できるクリニックへの受診をお勧めします。

イソトレチノインとは?

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イソトレチノインは、ビタミンAの誘導体であり、1980年代から海外では広く使用されてきたニキビ治療薬になります。その作用は、毛孔の壁の表皮のターンオーダーを促進し、毛孔の塞がりを改善したり、過剰な皮脂分泌を起こしている皮脂腺そのものを萎縮させたり、角質剥離(いわゆるピーリング作用)があったりと様々で、難治性ニキビに絶大な治療効果を有します。

またイソトレチノインを使用し98%以上の割合で治療効果が得られます。そして、イソトレチノインの服用を終了した後も効果は継続することが確認されており、患者が本来もっている肌質そのものを根本から改善できるとされています。

画像3

上記の図は、毛孔の壁の表皮のターンオーバーを促進することで、毛孔からの皮脂分泌の塞がりを改善し、分泌がスムーズ行えるようになる機序を表しています。(ここが閉塞することにより炎症を起こして、ニキビが発生します。)経験談としては、鼻の黒ずみ(角栓)が服用開始2週間ほどでにょきにょきとまるで毛の様に生えてきて(押し出されてきて)、軽くこするとぽろぽろと落ち、黒ずみが一掃されました。

画像4

上記の図は、マウスによる研究データになりますが、ビタミンA誘導体は過剰な皮脂分泌を行う皮脂で満たされた嚢(分泌腺)を萎縮させた結果を表しています。

これらは、イソトレチノインと同類のアダパレン(外用、商品名:ディフェリンゲル)という日本国内でも使用されているビタミンA誘導体製剤の作用を表したものになります。イソトレチノインの内服でも同様の効果が期待できると考えられます。やや専門的ですが、もっと詳細な作用機序をご覧になりたい方、以下のページから厳密には異なるものですが、アダパレンという同様のビタミンA誘導体製剤の作用機序等もごらん頂けます。

ディフェリンの作用機序 | マルホ 医療関係者向けサイト
ディフェリン®ゲルの作用機序をご紹介しています。

ちなみにイソトレチノイン(内服)とアダパレン(外用、商品名:ディフェリンゲル)も同じビタミンA誘導体ですが、厳密には異なる面もありますので、ご留意下さい。アダパレンは外用からのアプローチになるため、やや効果が乏しい方もいらっしゃいます(どうしても、皮脂腺や毛孔は表皮から深い場所にありますので・・・)。それに比べて、イソトレチノインは内服であり、体内からアプローチする薬剤になりますので、効果は絶大なものになります。

イソトレチノインってどう使われている?

イソトレチノインの難治性ニキビに対する作用機序について、説明してきましたが、残念ながら日本国内では保険適応が認められていません(保険診療で処方できない)。しかし、海外のニキビ治療におけるガイドラインでは難治性ニキビに対して、イソトレチノイン(内服)は第一選択として掲げられています。重症ニキビを顕著に改善し、かつ服用終了後もかなり長期間にわたってニキビ再発を抑えることができるという他に類を見ない効果が望めるため、海外では積極的に使用される薬剤になっています。

なぜ日本で使えない?イソトレチノインの副作用!?

では、イソトレチノインが難治性ニキビに対して、素晴らしい効果を有する薬剤にも関わらず、海外で発売されてから40年近く、日本国内では未だにイソトレチノインが使用できない状態が続いているのはなぜでしょうか?

それはイソトレチノインの副作用によるものです。その副作用が「催奇形性」です。催奇形性は催奇性をもつ物質が人体に取り込まれた場合、胎児に奇形を生じさせ、また流産、死産、早産にも繋がるリスクが伴います。そのため、妊娠を希望している場合(男女ともに)、妊娠中の女性には、絶対的に服用が禁止(禁忌)となっています。

もし、服用後に妊娠を希望する場合は、服薬期間中のその前1カ月と服薬後6カ月間は避妊して頂く必要があります。

その他の精神症状や肝障害など、通常の市販医薬品などでも報告されているような副作用の報告もあったりしますが、やはり最も注意すべきなのは、上記で記述したような催奇形性の副作用でしょう。

しかし、逆に言ってしまえば、厳格に避妊を遵守さえすれば、イソトレチノインは使用は推奨されるべきでしょう。ただ、どうしてもイソトレチノインの服用を希望される患者さんは生殖機能を有する世代の方が多いため、なかなか日本国内では普及しない現状があります。

イソトレチノインを使用するにはどうしたらいい?

この記事をお読みの方のほとんどが、ニキビに悩まれている患者さんかと思います。では、実際にイソトレチノインをどのように入手し、どのように服用していったらいいのかを説明していきます。

入手方法

イソトレチノインを入手するには大きく、二通りのやり方があります。1つ目は個人で購入する方法。2つ目は、イソトレチノインの処方を行っているクリニックの医師に処方してもらう方法があります。クリニックでは保険適応外の診療となり、完全自費診療になるため、個人での購入に比べて10倍以上は高額になります。この2つの入手方法について記述を行います。

個人で入手する場合

個人で購入する場合はインターネット上で「イソトレチノン 購入」などで様々な医薬品販売サイトが検索ヒットすると思います。中には先発医薬品や後発医薬品(ジェネリック医薬品)など様々な名前のイソトレチノイン製剤が発売されています(商品名が異なっても、中身の有効成分は全く同じです)。

個人で購入する場合は、20mg規格のカプセルを購入されることをお勧めします。20mgカプセルを1日2回服用(40mg/日)し、4ヶ月間(約120日間)使用すると考えると合計240カプセル必要になります(2カプセル/日×120日)。

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ご使用される医薬品販売サイトにもよりますが、ジェネリック医薬品で、一度に10箱(合計100カプセル)(1箱10カプセル入り)をまとめ買いすれば、10000円程度で抑えられるケースもあるようです。合計240カプセルを購入するのであれば、30000円以内で押さえられるかもしれません。おおよそは、副作用に応じて、途中で1日2回の服用から1日1回の服用に減量することが多いため、購入額、購入数はもう少し低い値になるかと思います。

口角炎や皮膚刺激感などが強い場合には2~3日に1回投与に投与間隔を空けたり、5mg規格のカプセル製剤や10mg規格のカプセルに切り替える場合もあるようです。顔面の皮脂を抑えるために5mg規格の低用量を維持的に使用されるケースもあるようです。

クリニックに通院する場合

イソトレチノインの処方を行っているクリニックの医師に処方してもらう場合は、イソトレチノインの処方だけでなく、女性であればピルの処方であったり、血液検査であったり、+αの治療が多く行われるため、治療費も高額になってきます。また、クリニックでは保険適応外の診療となるため、完全自費診療になります。そのため、治療にも保険制度による3割負担など補助も得られません。(全額でも400000~500000円程度もしくはそれ以上を要します。個人購入とは1ケタ違ってきます。20~40倍ほど値段が高いことがほとんどです。)ただし、個人購入する場合と異なり、副作用の対処や用量調節の設定なども医師が助けてくれるわけですから、安心と安全面に不安が強い方はクリニックの通院を選択されることをお勧めします。(筆者としては当時2010年頃はそんなクリニックもまだほとんどありませんでしたので、薬剤師という視点もありましたが、個人での購入と使用を行いました。)

月4万!?イソトレチノイン治療費総額公開|お肌治療日記|note
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用法用量

通常、1回20mgを食後に1日2回服用し、4~6ヶ月間(1クール)、毎日継続して服用します。症状に応じて、1日最大60mgまでとして下さい。副作用(皮膚の疼痛、発赤、裂傷、口角炎等・・・)が強い場合は、5~20mg/日等に減量し、投与期間も2ヶ月程度まで短縮することがあります。再燃する場合には2~4ヶ月の期間を空けてから再開(1クール)して下さい。

※食後に服用することで吸収性が高まります。絶食時には、吸収性が低下してしまうため、必ず食後に服用を行いましょう。

副作用の対策

治療開始後1ヶ月間は、3割程度の方に一過性のニキビの増悪(好転反応)がみられますが、急速に改善していきます。ニキビが改善してからも、再発を防ぐために治療を継続する必要があります。

頻発するのは、肌(主に顔)の赤み乾燥です。ややピリピリとした刺激感を感じやすくなるかもしれません。そのため、特に保湿は徹底するように心がけて下さい。保湿することにより、これらの症状を軽減することができます。保湿剤は、個人で肌にあったものを選択下さい。ワセリン、セタフィル、ヒルドイド、ニベア等々・・・日常で使っているもので結構です。毎日、1日2回以上の保湿を徹底して下さい。また、繰り返しになりますが、催奇形性を防ぐため、【避妊】は絶対条件です。

実際にイソトレチノンを使ってみて・・・体験談

私は当時(2010年頃)、イソトレチノインのジェネリック医薬品を購入して総額15000円程度自己管理(もちろん自己責任)で治療を行いました。最初は通常の用量通り(海外の添付文書通り)、1回20mgを1日2回(40mg/日)朝・夕食後で服用を開始しました。

服用開始2週間ほどで鼻の黒ずみ(角栓)がにょきにょきとまるで毛の様に生えてきて(押し出されてきて)、軽くこするとぽろぽろと落ち、黒ずみが一掃されました。それから、黒ずみがきれいになくなりました。(大量にぽろぽろ落ちてきた黒ずみを見たときは感動してしまいました・・・)一時的に詰まっていたものがなくなった性か、鼻からの汗がしばらくすごかったです。以降も10年以上がたちますが、黒ずみは一つもできなくなりました。

3週間ほどで、2~3日には1つは膿んだ大きなニキビがどこかに新しくできては、潰れてを繰り返していた私の顔面に、ニキビができなくなりました。その反面、表皮のターンオーバーが促進された性か、顔面の皮膚がぴりぴりとしたり、赤みを帯びてくるようになりました。がっつり夏場だったので、紫外線対策はしっかり行うように心がけました。

1ヶ月が過ぎる頃には、ほぼ全てのニキビがなくなり、新たなニキビもほぼできなくなりました。しかし、顔面のピリピリとした痛みと口角炎、肌の乾燥感が強くなってきました。鼻の中も乾燥して、すごくパリパリになり始めました(ややうっすら鼻血も出たり・・)。理容室で顔そりをしてもらった時は悲劇でした・・・ここで、副作用が強いと考え、1回20mgを1日2回(40mg/日)から1日1回(20mg/日)に減量を行いました。もちろん自己判断(自己調節)です。

2ヶ月半頃まで来ると、やはり顔面のピリピリとした痛みと口角炎、肌の乾燥感がどんどん強くなってきて、保湿も徹底していましたが、改善なく、一度、皮膚科(イソトレチノインの処方は行っていないクリニック)を受診しました。口角炎に対してステロイド軟膏(ジフルプレドナート軟膏)が処方されただけで終わりましたが・・・塗ってもあまり変わりませんでした。(もはや受診した意味があったのかわからない・・・)

3ヶ月頃には症状が強いので1回20mgを2日に1回隔日投与)に自分で変更しました。ここまで減らすと少し症状はマシになりました。もちろん、嬉しいことにニキビは一つもできなくなり、顔面の毛穴の黒ずみなどはきれいになくなり、その状態を維持していました。ただ、薬剤師としてはあるまじき行為ですが、人間の性(さが)なのでしょうか・・・内服が面倒になってきてしまい、3ヶ月半頃にフェードアウト、中断してしまいました・・・(日頃あれだけ、患者さんに薬をちゃんと続けるように説教している立場なのに、その自分がやめてしまうとはなんともお恥ずかしい話です・・・イソトレチノイン錠も余ってしまい、もったいないことをしました・・・)

こんな感じで約3ヶ月半の私のイソトレチノイン治療は幕を降ろしました。顔面の痛みであったり、赤みであったりは、治療終了後には緩やかに消失していきました。それからは、ニキビもほとんどできなくなり、毛穴の黒ずみなどもほとんどできない状態を10年以上保てています(ストレスや不摂生をするとぽつぽつできることは時々ありますが・・・)。なお、私の場合はこれで完結してしまったので、再投与は行っていません。現在はサリチル酸塗布と保湿を行っている程度です。(サリチル酸治療については別途記載)

正直何年もニキビ肌、オイリー肌に苦しんでいた自分の顔の性質が根本的に変わってしまったので、イソトレチノインとは素晴らしい薬だと感じました。本音としては、もっと早く使っていれば良かったと感じています。

私は大人になってから使用しましたが、高校生の思春期ニキビは更にひどかったので、ニキビ跡のクレーターなどもわずかに残ってしまっています。中学生、高校生など、本当に深刻にニキビが進行するもっと早い段階で使用するべきだったかもしれません。この記事をお読みのあなたが、もしニキビに悩み、イソトレチノインに関心があり、避妊が可能な状況であれば、一度調べてみて頂きたいと思います。

まとめ

・イソトレチノインの難治性ニキビに対する絶大な治癒力について
・絶対に避妊する必要がある(催奇形性
・個人、クリニックの二通りのやり方がある
・保険適応外のため、用法用量を理解しながら、責任を持って使用する。
・実際にイソトレチノインを服用してみて(体験談)
 ・・・もっと早く使っていれば良かった・・・

最後に厚生労働省からイソトレチノインの国内使用における注意喚起が出されています。個人で使用されるにも、クリニックで使用されるにも、必ず避妊は行い、副作用も理解した上で使用を行いましょう。その点さえ、クリアしてしまえば、素晴らしいニキビ治療効果が得られるでしょう。

アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について |厚生労働省
アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について について紹介しています。

本記事はあくまでも薬剤師としての私見であり、身の安全を保証するものではなく、イソトレチノインを使用した際に有害事象が生じた場合には責任を負いかねます。副作用の危険性について理解した上で、イソトレチノインを使用する場合は自己責任での治療を行って下さい。ご心配な方は、イソトレチノインを使用できるクリニックへの受診をお勧めします。

個人での購入を希望される方へ

コメント

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