アスピリン喘息は,アスピリンや NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)により強い上下気道症状が惹起されることを特徴とする病態であり、成人喘息の約 5~10%を占めるとされています。その急性期治療として静注用ステロイドを用いますが、これにより喘息発作が更に悪化・誘発してしまうケースがあります。静注用ステロイド薬はコハク酸エステル型(ソル・コーテフ注射用®、ソル・メドロール静注用®、注射用ソル・メルコート®、水溶性プレドニン®など)と、リン酸エステル型(水溶性ハイドロコートン注射液®、リンデロン注®、デキサート注射液®など)に大別されます。この内、コハク酸エステル型が、その構造によりアスピリン喘息患者に過敏反応を引き起こすことが考えられています。従って、アスピリン喘息患者にコハク酸エステル型ステロイド製剤投与は危険であり、リン酸エステル型の点滴が比較的安全とされています。また、内服ステロイド製剤は非エステル構造であり,過敏症状はきわめて起こりくいとされています。
参考文献:各薬剤添付文書、気管支喘息診療の進歩 2014
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