公務員薬剤師になってわかったこと「給料明細・給料表を公開」

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公務員薬剤師を目指されている方、もしくは公務員薬剤師ってどうなの?と気になる方、ぜひ一読して行ってください!給料明細なんかも公開します!年齢や役職に応じた給料表もご紹介します!

公務員薬剤師になるための公務員試験については、前回の記事に取り上げましたの、公務員試験の受験を考えられている方は、併せてそちらもご覧下さい。

公務員薬剤師の業務内容

あくまでも兵庫県職員からの視点でしか、お話はできませんのあらかじめご了承下さい。兵庫県職員の薬剤師は、その大半がまずは兵庫県立病院(10病院)のいずれかで勤務することになります。興味がある方は、下記をご覧下さい。

兵庫県立病院薬剤部公開週間(OpenPharmacy)について

他にも、兵庫県庁の薬務課であったり、保健所であったり、様々な行政機関に移動となり、通常の薬剤師で携わることのできないような業務を遂行することができます。

このように、通常の薬剤師人生とは異なる職務人生を送りたい学生の就職先としては、魅力的な職と言えるでしょう。

では、実際にどのような業務が行われているのでしょうか。まずは、兵庫県立病院の業務内容から話していきましょう。兵庫県立病院はもちろん規模の大きい病院になりますので、病院薬剤師として勤務することになります。朝の朝礼(8:45~)から業務を開始し、調剤業務、注射業務、抗がん剤や中心静脈栄養輸液のミキシング業務、病棟薬剤管理指導業務、外来指導業務等々・・・様々な業務に散って、活動が始まります。これは、病院によりけりですが、ずっと固定の業務内容であったり、ローテーションで業務内容が随時変わる病院もあります。お昼休憩(おおよそ11:30~13:30の内1時間)をはさみ、また繰り返しとなります。業務の運営経費の財源が、やはり税収ということあって(県立ですので・・・)、かなり最新の自動分包機やアンプルピッカーなど、様々な調剤補助機器が取り入れられています。病棟業務も盛んに行われており、カンファレンスなどを通して、医師、看護師、理学療法士、栄養士・・・様々な職種と関わることができます。そんな中でも医療を行う上では、多種の薬剤の使用がつきものです。薬剤師にも、様々な意見が求められますので、その分のやりがいは素晴らしいものでしょう。

実際の病棟や外来での薬剤師の介入等については、他の記事でまた記載していきますので、そちらをご参照下さいね!

公務薬剤師になるメリット

公務員薬剤師になるメリットはいくつかあります。

① 病院薬剤師業務だけでなく行政業務(お役所仕事)なども経験できる。
② 病院の設備に最新機器が揃っている。
③ 様々な病院、県庁、保健所等に転勤できる。
④ 安定した昇級、昇給を期待できる。(リストラもありません)
⑤ 公務員ならではの福利厚生が充実している。

これらについて、1つ1つ解説してみたいと思います。

メリット① 病院薬剤師業務だけでなく行政業務なども経験できる。

公務員薬剤師になれば、県立の病院での勤務だけでなく、県庁や保健所での行政業務に従事することができます。衛生関係のお仕事にも従事することがあるでしょう。県庁の病院局や薬務課で県立病院の薬剤受注における経営的な計画などを立て、県立病院を動かす立場のお仕事もあります。

メリット② 病院の設備に最新機器が揃っている。

県立病院の収入は経営利益だけでなく、税収を財源としたお金を施設運営に当てることができます。そのため、他の病院に比べて比較的に調剤機器(自動分包機やアンプルピッカー等)は整っています。また、兵庫県立病院はどんどん建て直しが行われており、新病院もどんどんと生まれているため、働く環境自体がどんどん新しくなっていると言っていいでしょう。どうですか?きれいな新しい病院で、最新機器に囲まれながら仕事をしてみませんか?

メリット③ 様々な病院、県庁、保健所等に転勤できる。

①でもお伝えしましたが、様々な部署や病院に移動ができます。例えば、総合病院で勤めていて、がん治療の勉強をもっとしたいとなれば「がんセンター」への転勤も可能です。精神科を極めたければ、「こころのケアセンター」(精神科病院)、小児領域に携わりたければ「こども病院」等々、専門施設への移動も可能です。(逆もしかりです)大きな総合病院、救急指定病院、県庁、保健所等々、移動も様々です。「行政職(事務職)からいきなり病院職に移ってやっていけるの!?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その点は大丈夫です。ちゃんと勉強すれば、「1年もすれば慣れます!」安心して下さい。

メリット④ 安定した昇級、昇給を期待できる。(リストラもありません)

公務員ですので、勤務を継続していれば、確実に昇給していきます。逆に昇給しない年はありません(笑)新型コロナウイルスの感染拡大等で賞与が支払われないような病院なども散見される中でも、運営費が税収から成り立っている公立病院では、そのようなこともありません。民間病院や個人~中小規模の調剤薬局であれば、利益が下がれば給与所得も減少する可能性がありますが、そのような影響を受けることもありません。究極に安定した就職先と言えるでしょう。

メリット⑤ 公務員ならではの福利厚生が充実している。

福利厚生って何?と思われる方もいしゃっしゃるでしょう。厚生年金(共済)や退職金制度、互助会サービス(医療保険や冠婚葬祭における手当)、食堂割、扶養手当、住宅手当、交通費支給、特別休暇(夏休み、冠婚葬祭、男性も含めた出産・育児に関わる休暇)、旅行・宿泊・食事・旅行・資産運用・ローン・健康増進・レジャーなどの様々な補助・手当・サービスを受けることができます。USJ のチケットなどが安価に購入できたりもありますね★就職活動などをしてみるとわかるのですが、意外と扶養手当がないとか住宅手当がないとか色々な企業がたくさんある中で、これだけ福利厚生が整っている職場は逆に少ないでしょう。病院職であれば、5連勤以上は禁止のため、かなり休みが多いのも特徴です。年休(有給)は、1年目の職員から最大20日、2年目以降で最大40日まで休むこともできます。年休(有給)を5日以上、それとは別に夏休み休暇(特別給)を5日取得しなければ、逆に罰則までありますので、いやでも休むことができますよ!

公務員薬剤師になるデメリット

「公務員」っていうブランドがステキ!いいところに就職したね!勝ち組だね!なんて言われることも、公務員になればあるでしょう・・・ここまで公務員薬剤師になったら得られるいい面、メリットばかりをお伝えしてきましたが、逆に実際に働いて分かったデメリットについてもお話ししていきます。

① 業務量の多さと残業の多さについて
② ガチガチに保守的な業務内容
③ ゴリゴリの決裁主義
④ とんでもない年功序列
⑤ どこの職場でも現れる窓際職員
⑥ 納得できない給料面の問題

これらについて、1つ1つ解説してみたいと思います。

デメリット① 業務量の多さと残業の多さについて

公務員ならではという訳ではないかもしれませんが、業務量は基本的に多いと思っていいでしょう。個人の担当業務にもよりますが、県立病院薬剤師であれば、通常の調剤業務や病棟業務を終了した後に、時間外に薬剤の使用量の集計であったり、情報提供の集計であったり、委員会の議事録などの作成、医薬品情報の案内の作成、発注管理業務、デッドスットクの管理等々・・・数え切れないほどの事務業務を行っていきます。この他にも、学会発表のデータ収集と集計、資料作成、認定取得に向けた症例の作成等々・・・もあります。もちろん、これらは勤務時間外で行うようにスケジュールが設定されているため、「残業」になりますが、実際はほとんどが「サービス残業」になっています(部署と監督者によって異なる場合があります)。基本的な事務作業(お役所仕事)については、ほとんどが時間外で行う必要があり、「県民のため」という理念のもとで、公務員はサービス残業が強要されている現状があります。また、残業をする職員ほど優秀という日本独特の慣習が根強く、仕事はスピーディーに効率よく完遂すれば、「こいつにはまだまだたくさん仕事をふれる」と判断されてしまうため、より多くの担当業務を背負わされてしまいます。つまり、仕事ができる職員ほど、どんどん業務量が増やされる傾向があります。評価や給与など、待遇が良くなることは、ほぼありませんが・・・

ちなみに学会発表や認定・専門薬剤師の取得などを積極的に行ったからといってそれが評価されることもありません。「どんどん学会発表しろ!どんどん認定資格を取れ!」と命令は受けますが、基本的に全て自費で対応する必要があります。ただただ自腹の費用だけがかさみ、労力と時間を消費して、「こいつはできる!」と判断されれば、より重い仕事が追加されるといった負のスパイラルが待ち受けているといった現実があります。

デメリット② ガチガチに保守的な業務内容

公務員は基本的に保守的な職員が多いです。今までこのように業務が行われていたから、今回も同様に業務を遂行すると行ったスタイルです。発注管理も電子ツールで管理すれば良いものの、未だに紙媒体で行っていたり、タイムカードも古いといわれるこの時代に、未だに出勤簿にハンコを押すスタイルを貫いています。(最近は職員の就労時間の把握を怠っていると指摘を受ける施設も増えてきたため、タイムカードを導入し始めた施設も出てきているようです・・・)LINEすら使用できない中年~高齢の職員も多く、緊急連絡も未だに電話回線が使われています(実際の有事の際には施設の電話回線はパンクするため、使用できないことは明らかとされているのですが・・・)。新たな取り組みやシステムの導入については、根本的に否定的な職場が多く、導入・管理を考えても、担当職員が2~3年で移動してしまうため、管理を行えない現状があります。

薬剤師の目線からすれば、スマートフォンを用いた電子お薬手帳については、兵庫県立病院は全く対応できていません。対応する方針もないそうです。(今後、変わっていくことを願っています・・・)

産休・育休についても、やはり昔ながらの考えが強い職場が多いですね。男性は晩まで働き、女性は家事を全てこなさなければならないというスタイルを今だに重んじているスタッフがかなり多いです。男性スタッフが育休の取得を申し出れば、かなりバッシングを受けます。出産補助に対する休暇、育児に関する休暇を申請すれば、それに対しても否定的な意見を何ヶ月もネチネチと言われ続けるような職場も多いようです(拒否される職場もあるようです・・・)。残業できなくなる職員は怠惰な職員として認識されるため、もちろん上司からの評価も下がってしまいます。

デメリット③ ゴリゴリの決裁主義

決裁とはご存じでしょうか?担当職員が何か外部に情報を提示する場合には、紙媒体でその旨を資料にまとめて、主任、主査、課長、次長、部長、他部署の所属長、院長とどんどんハンコをもらっていかなければならないシステムのことを決裁といいます。簡単にいえば、上層部まで行うスタンプラリーの様なモノです。このスタンプラリー地獄をほぼどの業務を行うに対しても行っていかなければなりません。さすがに薬剤師として疑義照会をする場合に決裁とまではいきませんが、薬剤に関する情報提供、使用量・使用状況の提示などはただ口頭で案内という状況がほとんどと思われるかもしれませんが、これに対しても決裁スタンプラリーが強要されることが度々あります。○▲委員会への出席案内が来たため、参加するために決裁、出席が終わったため決裁、医師からの問い合わせを受けたから決裁、発注をするから決裁・・・決裁地獄はただただ、「紙と時間の無駄」と思うのは私だけでしょうか・・・

デメリット④ とんでもない年功序列

後ほど給料表なども公開しますが、公務員は全面的に年功序列のシステムです。どれだけ素晴らしいことをしたとしても、わずかに出世するのは早まる程度です。給与やボーナスがそう上がることはありません。つまり、長く続けてさえいれば、どんな職員でも出世し、給与が上がり続けます。言い換えれば、どれだけポンコツな職員であっても、犯罪を犯さない限りは、出世し続けることができるのです。「DPP-4阻害薬って何?」、「免疫チェックポイント阻害薬って?何の適応の薬?」のように、一般市民以下の知識の幹部薬剤師も存在している事実もあります・・・

デメリット⑤ どこの職場でも現れる窓際職員

①ではどんなに頑張っても評価されないこと、②では向上心をもって新たな取り組みを行うことに否定的な環境であること、③では決裁というただただ無駄な作業が多いこと、④ではどんなポンコツな職員であっても、そこにいれば出世できることをお伝えしてきました。この①~④を考えれば、当たり前ですが、この状況を利用する職員が現れます。極力、目立たず、必要最低限の恒例の業務だけを行い、プラスアルファの業務であったり、新規の業務であったりは極力行わず、学会発表や認定なども一切行わず、ひっそりと生きる職員のことを窓際職員といいます。給与の昇給なども期待できないため、ただただひっそりと過ごし、暇な時間があれば、スマホをいじったり、FXをしてみたり、まぁある意味では理想的な職務スタイルといえるかもしれないですね。どんなに上司に低い評価をつけられてもおかしくない状況でも、低い評価をつけられるような部下が現れた場合、責任を追及されるのは上司になってしまうため、上司は何も意見することはなく、通常の評価を行わざる得ないため、公務員薬剤師においても窓際職員はとても心地よいの環境となっているのでしょう。

デメリット⑥ 納得できない給料面の問題

さぁ、最後に給与面について解説していきます!公務員薬剤師になる上で知っておかなければならないデメリットである給与面の問題、給料明細なんかも公開しちゃいます!年齢や役職に応じた給料表(公式)もご紹介します!

まず、繰り返しになりますが、公務員は基本的に年功序列です。どんなに頑張っても、どんなに頑張らずに不真面目に過ごしても、一定のペースで昇給していきます。

6年目の公務員薬剤師の給与明細をご紹介したいと思います。

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扶養手当等、福利厚生としての手当は一式受給することが可能です。しかし、よく見て頂くとわかると思いますが、「薬剤師手当(資格手当)」はありません。つまり、公務員薬剤師は「薬剤師」としてではなく「行政職員(技術職)」としての扱いで雇用されていることになります。これが安いのか高いのかは、人によって感じ方がことなるかもしれませんが、6年働いても、月の手取りは19~21万円程度になります。ボーナスはおおよそ年間で80万円程度になります。薬剤師としては、これはかなり安い給料であることは間違いないでしょう。残業も60時間程度はスタンダードにありますが、残業としてみなされるは最大でも、せいぜい見なしで5時間程度です。夜勤手当も1回につき2800円程度と破格の料金となっています。

ここだけを見ると、薬剤師の給与面としては最悪かもしれませんが、大事なのは確実に昇給するということです。年齢や役職に応じた給料表(公式)は実際に兵庫県のHPで公表されているため、そちらを一度ご覧になって下さい。下記にリンクを添付しております。

令和元年 人事委員会給与勧告

この給料表の見方ですが、表級・号泣で定められており、勤務6年目で03(級)-28(号)で、基本給(額面)が239500円/月という見方になります。

【横方向:左→右】2(級)→10(級)に向けて、【縦方向:上→下】1→2→3(号)→・・・に向けて、徐々に給与は増えていきます。ちなみに、【横方向】が役職(階級)を表し、主任→主査→次長→部長と上がって行く際の指標になります(特10級は県知事等が該当します)。【縦方向】がその役職での継続期間の長さを表し、長く継続しているほど、どんどん下方向へ下がっていきます。

30万円以上の手取りを取得できるようになるには、早くても 40歳 前後ということになります。薬剤師の給与としてはあまり良い方とは言えないでしょうね。

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ちなみに、60歳まで勤務を継続すれば、公務員の退職金としては2000万円程度が取得できることになりますので、生涯年収はその点も考えておきましょう。調剤薬局の管理薬剤師で年収700万円程度を30代初期から継続していれば、退職金がなかったとしても、生涯年収としては公務員薬剤師を遙かに超えます。例えば、年収400~500万円を10年続けるのと年収700~800万円を10年続けるのとでは、10年では3000万円ほどの差がでてきますからね。公務員薬剤師が年収700~800万円に達するには、55~60歳程度まで難しいと思っておいた方が良いでしょう。また、あくまでもここまでいけるのは最後の部長職以上まで出世できた職員であり、途中で昇給せずに終われば、年収は600万円程度で終了します。

公務員薬剤師が向いている人

公務員薬剤師のメリットは、大きくは2つ、福利厚生確実に上がる昇給システムです。産休や育休、年休、特別休、手当等々、結婚・出産を希望している女性にとっては魅力的でしょう。結婚・妊娠の機会になれば、休みたい放題となります。また、どれだけ業務をサボっても、どれだけ仕事をミスしても、業務以外の娯楽(ゲーム等)を勤務中に隠れてしていても確実上がる給与システムがありますので、出世にあまり興味がない単身者(独身者)で結婚願望もない職員にも、ここまで魅力的な職場はないでしょう(仮に処分があったとしても、解雇には絶対になりません!犯罪さえ犯さなければ大丈夫です!)。従い、やはり幹部の男性は男尊女卑・亭主関白系が多く、幹部の女性はほぼ未婚者(独身者)のお局さんがほとんどですね。モチベーションの高い職能のある職員は悟ったように退職していき、年々退職者は増加傾向となっています。逆に募集要員も増加傾向ですので、兵庫県職員薬剤師を目指される方はこれからが狙い目ですよ!

さいごに・・・公務員薬剤師を目指そうとしている方へ

公務員薬剤師は異常に業務量が多い分、様々な経験を培うことができます。そのため、新社会人の数年間を限定に勤務し、キャリアを身につけるには利用価値のある職場と考えます。しかし、長期的に勤務していくとなると、結婚し、子供が生まれ、家族との時間を作り、養っていくとなるとかなり厳しい一面もあることを忘れないで下さい。あなたの人生は、この時も様々な方向に変化し続けていると思いますが、あなたの人生の今、このタイミングに公務員薬剤師が適切と思うのであれば、ぜひ目指して頂ければと思います。

コメント

  1. […] 他の記事でも紹介していますが、私はもともと公務員薬剤師をしていました。そして、下記の記事にも記載したように、公務員薬剤師になるデメリットがあまりにも大きくなったため退 […]

  2. […] 他の記事でも紹介していますが、私はもともと公務員薬剤師をしていました。そして、下記の記事にも記載したように、公務員薬剤師になるデメリットがあまりにも大きくなったため退 […]

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