こんにちは。私は兵庫県職員の薬剤師として働いていました。そこで、あくまで兵庫県職員からの目線でですが、公務員になるまでの経緯やエントリーシート、筆記試験や面接試験について、記して行きたいと思います。
公務員を目指した理由
私は兵庫県神戸市の六甲山の中にある町の出身です。生まれも、小学校~大学まで、全て神戸市で過ごしました。大学は薬剤師を目指すための薬学部でしたので、ほとんどの学生が調剤薬局か病院、もしくは製薬企業に就職していく中で、「何かみんなとちがうことがしたい!」と思ったのが率直な気持ちでした。ですので、あまり調剤薬局や病院は滑り止め程度にしか、就職活動は行いませんでした。最初は製薬企業(MR:営業職)のインターンシップなどに参加し、薬品の営業業務について学び、就職活動を行っていました。しかし、就職活動を進めていく上で、ありがたいことに最終面接までたどり着けた企業もありましたが、6年間、大学で薬剤師教育を受けてきて、それをあまり生かし切れない営業職に付いてしまってよいのか・・・病院やクリニック、薬局の前で何時間も医師や薬剤師に新薬などのプロモーションを行うためにボォ~と待つ日々を送って良いのか?・・・色々、自分の中で、何か引っかかるようなモヤモヤした気持ちが出てくるようになりました(自慢ですが・・・大学でも勉強はまぁまぁ真面目にやってて、成績も良かったんですよ・・・笑)。
そんな時に、研究室の先輩から「公務員はどう?」と声をかけてもらったことが始まりでした。目指したタイミングが結構なギリギリのタイミングでしたが、筆記試験や面接試験等々、慌てて準備したことを覚えています。
別に公務員になって何がしたいとか、本音では「別に何もないけど・・・」って感じでしたが、ただただ「何かみんなとちがうことがしたい!」という気持ちだけが突っ走っていたような気がします。ただ、オープンファーマシー(職場見学)などでは、かなり大きく、新しい県立病院を見ることができ、通常の病院薬剤師業務に加えて、行政業務(いわゆるお役所仕事)など、普通の病院薬剤師や薬局薬剤師ではできない仕事にも携わることができることに魅力を感じたことが、私が公務員を目指した決めてになりました。また、「公務員」というブランドに一種のステータスを感じたことも理由の一つに挙げられるかもしれません。
こんな感じで、かなりいい加減というか曖昧というか、テキトーな気持ちで公務員試験を受けて、通ってしまったの私が公務員薬剤師になった経緯です。(真面目な気持ちで公務員を目指されている方はごめんなさい・・・)
公務員試験について
私が公務員試験を受験したときには、いわゆる一般科目(国語・算数・英語・社会・理科)と専門科目(薬剤師の国家試験に準ずる問題)の筆記試験が丸一日(朝から晩まで)かけて行われていましたし、面接以外にも、小論文、グループディスカッションや適正診断試験(エッチなことはしてはいけませんとか、人を殺してはいけませんとか、ひたすらマークシートを塗っていく試験)などもありました。
しかし、今は薬剤師職員についてはかなり簡略化され、受験するためのハードルが大幅に下がっています。つまり、めっちゃ受けやすくなっているということです。
① 自己PRカード(エントリーシート)の作成と提出
② 筆記試験(薬剤師の国家試験に準ずる専門科目のみ)
③ 面接試験(中堅職員面接、幹部職員面接の合計2回)
具体的な流れとしては、自己PRカード(エントリーシート)を作成し、筆記試験(薬剤師の国家試験に準ずる専門科目のみで、国・数・英・社・理などの一般科目は削除されています!これはうれしい!)を受けるだけです!ここをクリアすれば、後は中堅の職員の面接(1回目)と幹部職員の面接(2回目)を受けるのみとなります(面接を2回受けるだけ!これもうれしい!)。小論文もグループディスカッションなども、面倒なものはことごとく省略されているので、国家試験勉強中で卒論や実験で忙しい6回生の学生からしたら、かなりうれしい試験要項になっています。
▼もし、もっと詳しく知りたい方は、以下の兵庫県HPをご覧下さい▼
※年度によっては試験形態が変更となる場合があります。ご注意下さい。
試験対策について
ここからは、自己PRカード(エントリーシート)の作成(実際の記載内容も公開します!)や筆記試験の内容、面接試験の内容などについて解説していきたいと思います。
実際の自己PRカード(エントリーシート)の記載様式
兵庫県職員の採用試験にエントリーするには、どのような自己PRカード(エントリーシート)を作成し、提出しなければならないのでしょうか。
それは・・・こんな感じです!
(おそらく、ここまで記事を読まれている方は既にご存知の方がほとんどでしょう・・・)
① 〔県職員志望の動機を記入してください〕
② 〔専攻学科及びゼミナール・卒論等での研究分野、知識に関する得意分野等を記入してください〕
③ 〔仕事・アルバイト、ボランティア・社会活動などで、特に力を入れて取り組んだこと、そこから得たことなどを具体的に記入してください〕
(実績の例:職務経験における業績や表彰歴、クラブ活動での大会出場や入賞歴、ボランティア活動での表彰歴など)
④ 〔「自分の力で兵庫県をより良くしたい」、「ふるさと兵庫のために、これまで培ってきたことを生かしたい」など、兵庫県への愛着・想いを、あなたと兵庫県との関わりを踏まえ、具体的にアピールしてください〕
⑤ 〔兵庫県では、①行動力のある人材②課題への対応力を持った人材③責任感のある人材④斬新な発想を持った人材 を求めています。あなたの具体的な経験を踏まえて自己 PR してください〕
この①~⑤までを記載しなければなりません。
「はぁ?なんやねんコレ?知らんがな・・・」
率直な個人的な感想はこんな感じでした・・・笑
ただ、まず第一関門はこの自己PRカードの作成です!
そして、自己PRカードを用いて面接が行われます!
(あとの面接の項で詳しく解説しますね!)
正直、全然何も思いつかないし、兵庫県って神戸市と明石市以外に何市があるのかもよく知らんかったし、別に兵庫県に愛とかないし・・・という状態でしたが、無理矢理ひねり出しました。県の行政情報なんかは、HPにゴロゴロ転がっています。何とか取ってつけたように書き上げました。
実際の自己PRカード(エントリーシート)の記載事例
これは、私がなんとか無理くり作り挙げた自己PRカードです。かなり就職科のスタッフさんが親身になって・・・というかあきれ顔で?笑・・・懇切丁寧に指導して頂き、作成した内容なので、学生の割にはボチボチなできにはなっていると思います。もし、よろしければご参考下さい。
いかがでしょうか。わけわからないでしょう?笑・・・手書きでただただしんどそうという印象の方が強いかもしれませんね。まあ、何とかなります!他の受験者の自己PRカード(エントリーシート)も何人分か見せて頂きましたが、おのおの何とかエピソードを詰め込んでいる感じでした。面接で突っ込まれるのではないか?と心配になられる方もいらっしゃるかもしれませんが、就職活動は「本音と建て前」、半分は騙し合いみたいな様なものです。詳しくは面接の項で、解説しますね。
「こんなの書けない・・・」とか「不安だわ・・・」とか、思われている方は、安心して下さいね。
「大丈夫!みんな不安です!」
なんだかんだ、ちゃんと書いて、スペースを埋めていれさえいれば、ほとんどの受験者が書類審査を通過しているのが実情ですので、安心して自己PRカードを作成して下さいね。
毎年、この自己PRカード(エントリーシート)の様式を見ていますが、ここ10年くらいは変わっていません。上司に更に過去の様式を見せて頂きましたが、全然変わっていません。
つまり、様式は全然変わることがありませんので、時間のある方は早めに準備してしまいましょう。
ちなみに、保守的なお古考え方が多いのが公務員の性です。
自己PRカード(エントリーシート)の作成は 【手書き】 が原則となります!
(もうええ加減、HPからの入力形式とかにすればええのに・・・もう令和やで?昭和とかやないねんで?手書きって何時代やねん?パソコンって知ってる?タイピングって知ってる?・・・と人事部のおじいさん達に対して、個人的に思っています・・・笑)
筆記試験の内容と対策
筆記試験の内容は、薬剤師の国家試験に準ずる専門科目のみとなります。全てマークシート形式です。国・数・英・社・理の様な一般教養試験は行われません。しかし、筆記試験については、受験を考えられる皆さんはとても心配になる内容ではないでしょうか。私も筆記試験については、とても心配で不安でした。試験の過去問があるわけではないので、どのように対策したら良いのかもわかりませんでした。
そこで、私からのアドバイスを1つさせて頂きます!
「筆記試験は対策をしないで下さい!」
「はぁ?」となったそこのあなた、安心して下さい!
まあ、国家試験受験直後の国試浪人であれば話は別ですが、国家試験前の6回生や就職後の現役薬剤師からすれば、数ヶ月で対策したとしても訳がわからない内容です。つまり、対策したって、あまり意味がないということです。あえて、対策というのであれば、6回生の皆さんは大学の授業を真面目に受けて、学習して下さいね。(受験者は皆ほぼ高得点が出ることは、まずないそうです。)
これは、人事部が受験者に対して正式にアドバイスされている内容ですが、筆記試験の結果はそこまで考慮されません。あくまでも形式です!(じゃあ何でわざわざ筆記試験すんねん?!って思いますが・・・笑)重要なのは自己PRカード(エントリーシート)を用いた面接試験です!(さすがに0点とか、10点以下とか、とんでもないのはダメですけど・・・普通にCBTを通過していれば、学生さんは大丈夫ですよ!)
筆記試験自体は採用審査において、あまり重きとされていないのが兵庫県職員の採用試験です。(詳しくは次の面接試験の項で説明していきます。)
面接試験の内容と対策
では、最も重要な面接試験について解説していきます。
面接試験は、中堅職員面接、幹部職員面接の合計2回、それぞれ別日に行われます。内容としては、事前に提出した自己PRカード(エントリーシート)に沿って、まず1分間で自己PRを行います!(この形式は長年変わっていません!)そして、面接官から自己PRカードの内容にそって、何気ない質問が行われていきます。大手企業などで多い圧迫面接などは存在しないので、安心して下さいね。
ここで、面接官が兵庫県職員を採用する上で、重視しているポイントを2つ紹介します。
① 元気に笑顔でハキハキ、イキイキ話すことができる。
② この人と一緒に働きたい、この人を部下にしたいと思える。
この2つのポイントさえ、クリアすれば、面接試験はクリアできます。これは断言します!正直な所、学校の成績がどうとか、筆記試験の結果がどうとか、自己PRカードの内容がどうとかよりも、面接官の前でこの2つのポイントさえアピールできてしまえば、確実に合格します!これは、中堅職員面接も幹部職員面接も同様です。
逆に、どんなに大学の成績が優秀でも、筆記試験の内容が良かったとしても、この2つのポイントをアピールできない場合は不合格となります。具体的には、小さい声でモゴモゴ話したり、相手の顔を見れなかったり、あからさまに元気や笑顔が作れない様な受験者は不合格となります。当たり前のことと思われるかもしれませんが、薬学部生や現役薬剤師の受験者の中には、一定多数で上記の様な方がいらっしゃるの現状です(おそらく優秀な方なんだとは思うんですが・・・)。
ですので、受験される皆さんは、緊張すると思いますが、元気いっぱいに面接に臨んで下さいね。繰り返しになりますが、就職活動は「本音と建て前」、半分は騙し合いみたいな様なものです。中身はあまり重視しませんので、元気な笑顔を見せて下さい!
難易度について
最後に難易度について、解説しておきます。こんなことを言うと受験を考えられている方からは「ホンマかぁ?」と思われてしまうかもしれませんが、年々合格率は上がっています。逆に言えば、試験の難易度は下がっています(簡単に通過できるようになっています)。「なんでぇ?」ってなるでしょう?あんまり大きな声では言えませんが、2020年度以降から受験資格の年齢制限が30歳から45歳までに引き上げられ、薬剤師の募集枠は15人程度から30人以上まで増員されました。病院の診療報酬改定などが表向きの理由ですが、退職者が後を絶たないという背景もあります。詳しくは、また次の機会に解説したいと思います。
ここまで、ご購読頂き、ありがとうございました!兵庫県職員を受験される方はぜひぜひ頑張って下さいね!合格されることを祈っております!