外来がん治療認定薬剤師の取得に向けて① 単位について

A 外来がん治療認定&専門薬剤師

必要な単位数

外来がん治療認定薬剤師の取得に向けて、まず必要なのは単位になってきます。詳細は臨床腫瘍薬学会(JASPO)のHPを参照して下さいね。合計の単位としては60単位が必要となります。単位が取得できるセミナーや研修、学会などについてもHPに記載されているスケジュールをご参照下さい。

まずは、臨床腫瘍薬学会の学術集会(年に1回開催)に参加しよう!

最初に必須になってくるのが、外来がん治療認定薬剤師の認定を付与・管理している臨床腫瘍学会(JASPO)の学術集会(年に1回開催)に参加する必要があります(臨床腫瘍薬学会への入会が必須です)。この、JASPOの学術集会に参加するだけで1日当たり10単位、1回の参加(開催2日間)で合計20単位が付与されます(参加証のネームカードは捨てずに必ず保管しておくこと!ネームカードのコピーが申請時に必要です!)。これは大きいですよね!まずは、JASPOへの学術集会への参加を第一に考えましょう。基本的には毎年3月に開催されます!「外来がん治療認定薬剤師を目指そう!」と考えた先生は、そう考えたのが、年内のどのタイミングであっても、この学術大会への参加をスケジュールに入れながら、認定取得を目指して下さいね。個人的に効率が良いと思うのは、12月~1月当たりからのスタートかと思います。

①9~12月当たりでJASPOの学術集会の事前参加申し込みが開始される
 (当日参加も可能だが、事前申し込みでなければ受けられないセミナーもあり)
②JASPOの学会の年会費(学会員更新費用)が12月締めになるので、1月からの入会のコスパが最もいい!

という上記の2つの理由からです。9~12月で学術集会に事前申し込み(この時点でまだ未入会でもOK!)し、1月から入会して、行動を開始すれば、3月に学術集会に参加でき、4月以降に開催されるセミナーを全て会員用の値段(非会員より格安)で受講できるようになります。ただ、「目指そう!」と思ったタイミングが6月~9月(多くのセミナーが実施中もしくは終了しているタイミング)であったとしてもあまり気にしないでくださいね!確かにコスパは悪いかもしれませんが、外来がん治療認定薬剤師に向けて最も重要で大変なのは単位取得ではなく、外来での介入症例(10例)の作成です!これは時間と労力をかける必要があります(普段の業務を行いながらなので、そこが大変な所ですね・・・)。3月まで、何か受けられるセミナーがあれば先に受講しておけばOKですし、なければ必死にこの介入症例作成に注力すれば良いと考えます(かなり外来の患者さんに対して、深く踏み込んで行かなければなりません)。逆に、1月から取得に向けて行動を開始すると、確かに効率もコスパもいいですが、外来への介入とその介入症例の作成への時間がややタイトになってきますので、事前に外来への介入はトライしておいた方が良いかもしれませんね。普段から外来がん化学療法に参画されている先生もこれから参画される先生方もぜひ、ご参考にして頂ければと思います。症例の作成方法等についてはまた、次回の記事で解説したいと思います。

スタートアップセミナー

おおよそ5~6月に開催されるセミナーです。乳がん、肺がん、胃がん、大腸がん等々、主要ながん種に対して、猛スピードで全て基礎的内容からやや応用的な内容まで、全てポイントを押さえながら学ぶことができます。基礎から学びたいと思われる先生方はもちろん、ベテランの先生方でも振り返りをしながら、新たな学びもあるかもしれません。単位数は6単位ほどと他のセミナーに比べれば取得できる単位数は少ないですが、個人的にはおすすめのセミナーでした。

Essential Seminar

Essential Seminar は外来がん治療認定薬剤師を目指すのであれば、必ず受講しておくことをお勧めします。なぜなら、外来がん治療認定薬剤師の筆記試験は、この Essential Seminar の講義内容から出題される割合が大きいからです(講義内容で過去問などの提示はありませんが・・・)。Essential Seminar には、A-Program、B-Program、C-Programがあり、可能な限りは全て受講しておいた方が良いでしょう。Aでは主に殺細胞性抗がん剤、Bでは分子標的薬、医療保険等のサービスについて、Cでは免疫チェックポイント阻害薬、緩和ケア、新薬情報など、普段の業務の中ですでに習得できている内容から普段携わることのない内容まで、幅広く情報を獲得することが可能です。この、A~Cを受講するだけでも各 Program 10単位3講義の合計で 30 単位を取得することができますので、単位数を稼ぐのにも一石二鳥ですね。この Essential Seminar を申し込む場合の注意点ですが、かなり人気のセミナーになりますので、申し込み開始時間の直後から急いで申し込む必要があります数時間もすれば、満席になります。ジャニーズのライブを申し込むみたいですよね・・・私の経験ですが、業務中にこそこそ、スマホをポチポチして、申し込み内容を入力していました。大体はお昼の12時くらいのに申し込み開始です。申し込み開始日はJASPOのHPを参照してくださいね。2020年以降からは、X-Program という外来がん治療認定薬剤師の実臨床向けの新たなセミナーも開設されている用です。

ブラッシュアップセミナー

ブラッシュアップセミナーは、Essential Seminar などに比べて、内容のレベルも高く、どちらかというと、臨床・実践向けの講義になっています。各種癌腫の最新のガイドラインの解説や支持療法での介入内容など、普段の業務だけでは学び得ない知識が豊富に含まれています。1回受講することにより10単位を取得することができます。おおよそ9月までに開催されるため、単位が足りない時などに、最後の単位を補充機会にもなりますね。(外来がん治療認定薬剤師の申請が9月末まで)

その他のセミナーや学術集会

JASPO ではエキスパートセミナー、症例報告のためのワークショップなど、様々なセミナーが開催されています。私見になりますが、外来がん治療認定薬剤師を目指すのであれば、上記のスタートアップセミナー、Essential Seminar など以外は、それほど重要視しなくても良いかと思います。費用もかなりかかってしまいますからね。個人的にお勧めなのが、医療薬学会年会、臨床腫瘍学会(臨床腫瘍学会とは異なります!名前が似てるので注意!腫瘍学会と腫瘍学会があります!)などへ参加です。これらの学術集会に参加しておくと、それでかなりの単位数を取得できます。注意点としては、学会に参加した時のネームカード(参加証)は必ず保管しておいて下さい!申請時にコピーが必要となります。(私は全て帰りの駅で捨ててしまっていました・・・泣)詳細についてはJASPOのHPをご覧下さい。新規申請のページの一番下に履修単位の対象となる講習会(研修会)一覧のPDFデータが貼られていますので、自分が参加した学会などがないかはチェックしておきましょう!

まとめ

スタートアップセミナー、Essential Seminar 、ブラッシュアップセミナーなどについて解説してきました。お勧めのタイムスケジュール(毎年、多少前後あります)としては下記の通りになります。もちろん、自分のスケジュールがあれば、全然無視して頂いてOKです!詳細はJASPOのHPを参照して下さいね。

3月までに医療薬学会年会などの学術集会に参加しておく。もちらん外来治療にもトライしておく。
3月:臨床腫瘍薬学会(必須!)に参加する。(2日間、合計20単位取得)
5月:スタートアップセミナー(6単位取得)
7~8月:Essential Seminar A、B、C(3セミナー、合計30単位取得)
9月:ブラッシュアップセミナー(10単位取得)
→9月末に新規申請締め切り(合計60単位以上の提出が必要!
※この期間中も、当たり前ですが、外来への介入と介入症例10例の作成は徹底しておいて下さい!

この様なスケジュールが一番、コスパや効率は良いかなと思います。もし良ければ、ご参考にして頂ければと思います。




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